莉麻「まだしんどい?」

悠真「ちょっと。」

莉麻「じゃあ、無理しないでね。」

悠真「……うん。」

悠真は少しだけ迷ってから、莉麻の肩へ頭を預けた。

莉麻「……。」

莉麻の身体が一瞬固まる。

けれど、すぐに力を抜いた。

以前にも何度か、悠真が自分に寄りかかってきたことはあった。

だから今さら驚くことではない。

……そう思っているのに。

心臓だけは、少し速くなっていた。

悠真「……やっぱり、莉麻ちゃんの隣って落ち着く。」

莉麻「……そう?」

悠真「うん。」

目を閉じた悠真の表情は、とても穏やかだった。

ステージで見せる顔ともメンバーとふざけているときの顔とも違う。

力が抜けていて、安心しきっている。

莉麻はそんな悠真を見て、そっと髪に触れた。

莉麻「……よく頑張ってるね。」

悠真が小さく笑う。

悠真「莉麻ちゃんに言われると、なんか嬉しい。」

その言葉に、莉麻の指が止まった。

胸の奥が、また熱くなる。

――どうして。

悠真くんにこう言われると、こんなに嬉しいんだろう。

奈津に頼られたときとも。

春空に甘えられたときとも違う。

悠真に「嬉しい」と言われることが――妙に嬉しい。

莉麻「……私も。」

思わず、口から言葉がこぼれた。

悠真「……え?」

莉麻は自分でも驚いて、少し慌てる。

莉麻「……なんでもない。」

けれどその頬は、ほんの少し赤くなっていた。