駅へ向かう途中信号が赤になり、四人が立ち止まる。

春空と莉麻が前。

少し後ろに悠真と奈津。

ふと悠真が、莉麻の隣にいる春空を見た。

すると春空が何かを話し、莉麻が楽しそうに笑っている。

悠真の胸が、また少しだけ痛くなった。

けれど――そのとき、莉麻が振り返った。

莉麻「悠真くん。」

悠真「ん?」

莉麻「今日、体調大丈夫?」

その一言だけでさっきまで胸にあったざわつきが、少しだけ消えていく。

悠真「うん。大丈夫。」

莉麻「本当に?」

悠真「本当に。」

莉麻は悠真の顔をじっと見る。

そして、少し安心したように笑った。

莉麻「よかった。」

その笑顔を見た瞬間。

悠真の心臓が、また大きく跳ねる。

そして――莉麻自身も。

悠真が笑ったのを見て、なぜか胸の奥がふわっと温かくなるのを感じていた。

さっき春空と笑っていたときとは、少し違う。

同じ「嬉しい」なのに。

悠真が元気そうにしていることが、妙に嬉しい。

莉麻「……。」

自分でも、その違いに気づき始めていた。

信号が青になる。

四人が歩き出す。

けれど莉麻は、さっきの感覚が頭から離れなかった。

――なんでだろう。

悠真くんが元気だと、こんなに安心するんだろう。