莉麻は掴まれた腕を見つめた。
その手には、力なんてほとんど入っていない。
それでも離れたくないという気持ちだけは、痛いほど伝わってきた。
ゆっくり悠真の方へ向き直る。
莉麻「……分かりました。」
優しく微笑む。
莉麻「今日は、そばにいますね。」
その一言に、悠真の肩からふっと力が抜けた。
安心したように目を閉じ、小さく息を吐く。
悠真「……ありがとう。」
その声は、もう眠りに落ちる寸前だった。
莉麻はベッドの横へ椅子を寄せて腰を下ろす。
掴まれた手は、そのままにしておいた。
今はきっと、それが一番安心できるから。
静かな部屋に、穏やかな時間だけが流れ始めた。



