停電から少し経って、スタッフが復旧作業をしている間。

メンバーたちはそれぞれ廊下や控室に集まり始めていた。

春空もようやく落ち着き、莉麻から少し離れて座っている。

けれど、さっきまで莉麻に抱きしめられていたことを思い出すたび、耳まで赤くなってしまう。

そんな春空を見て、莉麻が心配そうに声をかける。

莉麻「春空くん、まだ怖い?」

春空「……もう大丈夫。」

莉麻「本当に?」

春空「うん。」

そう答えながら、春空は莉麻を見る。

そして少しだけ笑った。

春空「……莉麻ちゃんがいてくれたから。」

その言葉に、莉麻も柔らかく笑う。

莉麻「よかった。」

その様子を、少し離れたところから悠真が見ていた。

まただ莉麻と春空が笑っている。

たったそれだけなのに、胸がざわつく。

けれど――今度は、春空が怖がっていたことも知っている。

だから何も言えない。

ただ、莉麻のそばにいる春空を見つめるしかなかった。

その横で、奈津も静かに二人を見ていた。

そしてふと、悠真と目が合う。

一瞬二人とも何も言わなかった。

けれど、お互いが何を考えているのか――なんとなく分かってしまった。