悠真はぼんやりと莉麻を見つめた。

悠真「……莉麻ちゃん。」

初めて名前を口にした。

その響きが思ったより優しくて、自分でも少し驚く。

悠真「……ありがとう。」

その一言だけで十分だった。

莉麻は嬉しそうに笑って、小さく首を横に振る。

莉麻「お礼を言うのは、元気になってからでいいですよ。」

その笑顔を見ていると、不思議なくらい安心する。

眠気も少しずつ強くなってきた。

熱も、さっきより少しだけ引いた気がする。

……もう大丈夫かな。

そんな悠真の様子を見て、莉麻はゆっくり立ち上がる。

莉麻「少し安心しました。悠真くんも眠そうですし……。」

バッグを持ち、小さく会釈する。

莉麻「私は帰りますね。今日はゆっくり休んでください。」