しばらくして、病室のドアがノックされた。

医師が入ってきて、悠真の状態を確認する。

昨日より呼吸も安定していて、顔色も戻ってきている。

いくつか確認を受けたあと、医師が穏やかに告げた。

「今の状態なら、今日は無理をせず休むことを条件に帰って大丈夫でしょう。」

莉麻はほっと胸を撫で下ろした。

莉麻「よかった……。」

悠真も小さく息を吐く。

悠真「ありがとうございます。」

医師が出ていくと、奈津が悠真の荷物をまとめ始める。

奈津「じゃあ、帰る準備するか。」

莉麻「うん。」

莉麻もベッドの周りに置いていた荷物をまとめる。

すると悠真が、ふと莉麻を見る。

昨日からずっと、自分のそばにいてくれた。

朝になっても。

目を覚ましてからもずっとそれが嬉しい。

でも同時にもうすぐ病院を出る。

そう思うと、少しだけ寂しかった。

悠真「……莉麻ちゃん。」

莉麻「ん?」

悠真「昨日から、ずっといてくれたんだよね。」

莉麻「うん。心配だったから。」

悠真は少しだけ目を伏せる。

胸の奥が温かくなる。

悠真「……ありがとう。」

莉麻は優しく笑った。

莉麻「どういたしまして。」

その笑顔を見ているだけで、悠真の胸はまた大きく鳴った。