しばらくして、医師が病室へ入ってきた。
悠真の状態を確認し、点滴の経過や昨夜の様子について話をする。
「今日は無理をせず、しっかり休んでください。」
「しばらく激しい運動は控えるように。」
悠真は素直に頷いた。
悠真「分かりました。」
医師が出ていく。
病室に静けさが戻った。
莉麻は少しだけ安心したように息を吐く。
莉麻「よかった。」
悠真が莉麻を見る。
悠真「……心配した?」
莉麻「うん。」
即答だった。
悠真は少し目を丸くする。
莉麻は恥ずかしそうに笑う。
莉麻「昨日、本当に怖かったから。目を開けてくれて、よかった。」
その言葉に、悠真の胸が締めつけられる。
こんなふうに、自分のことを心から心配してくれる人がいる。
それが嬉しくて。
少しだけ、甘えたくなる。
でもその横には奈津がいる。
悠真はちらりと奈津を見る。
奈津は何も言わず、二人を見ていた。
その目には、昨日までとは少し違う何かがあった。
悠真はそれに気づきながらも、まだ言葉にはできない。
ただ莉麻のそばにいたい。
その気持ちだけが、昨日より少し強くなっていた。



