朝食を少しずつ口にしながら、莉麻は昨日のことを思い出していた。
ライブの途中で、突然苦しそうになった悠真。
倒れる寸前に受け止めた時の、あの身体の重さ。
必死に服を掴んでいた手。
思い出すだけで、胸がきゅっとなる。
そんな莉麻を見て、奈津が声をかけた。
奈津「莉麻ちゃん。」
莉麻「うん?」
奈津「昨日のこと、あんまり気にしすぎなくていいから。」
莉麻は少し驚いて奈津を見る。
莉麻「でも……。」
奈津「悠真は今こうして落ち着いてる。それに、莉麻ちゃんがちゃんと気づいてくれた。」
その言葉に、莉麻は小さく頷いた。
莉麻「……うん。」
奈津はそんな莉麻を見ながら、ふっと笑う。
昨日もそうだった。
自分が疲れていることなんて気にせず、悠真のことを一番に考えていた。
でも今はちゃんと自分のことも心配してほしい。
そんなことを思ってしまう。
奈津「それより、莉麻ちゃん。」
莉麻「?」
奈津「今日はちゃんと食べて、休んで。俺との約束。」
少し冗談っぽく言うと、莉麻は柔らかく笑った。
莉麻「……分かった。」
その笑顔を見て、奈津の胸がまた小さく鳴った。



