莉麻「無理しないで。」

すぐに背中へ手を添える。

悠真はその手を借りながら、ゆっくり身体を起こした。

昨日よりは動ける。

でも、まだ少しぼんやりする。

悠真「……大丈夫。」

莉麻「本当に?」

また同じことを聞かれて、悠真は少しだけ笑った。

悠真「うん。昨日よりは。」

その言葉に莉麻も安心したように笑う。

けれど悠真はふと、昨日のことを思い出した。

ステージ。

早着替え。

息が苦しくなって。

何度吸っても足りなくて。

立っていられなくなったこと。

そして莉麻に抱きとめてもらったこと。

必死に服を掴んだこと。

涙まで見せてしまったこと。

全部思い出すほど、顔が熱くなる。

悠真「……昨日。」

莉麻が顔を上げる。

悠真「俺……。」

そこで言葉が止まった。

恥ずかしい。

あんな姿見られたくなかった。

でも莉麻は何も言わず、ただ優しく笑っている。

莉麻「怖かったよね。」

悠真が目を伏せる。

悠真「……うん。」

小さく頷く。

莉麻「もう大丈夫だから。」

その言葉に、悠真の胸が少しだけ温かくなった。