目は閉じている。

眠っているのかな。

そう思って近づくと、小さく苦しそうな息が聞こえた。

まだ眠れてはいないみたい。

莉麻はベッドの横へ腰を下ろし、トレーを静かに置く。

莉麻「保冷剤、見つかりました。」

その声に、悠真はゆっくり目を開けた。

悠真「……ありがとう。」

かすれた声。

それだけでも、さっきより少し話せるようになっている。

莉麻「首、冷やしますね。」

返事を待つと、悠真は小さく頷いた。

タオルに包んだ保冷剤を首元へそっと当てる。

ひんやりとした冷たさに、悠真が小さく息を漏らした。

悠真「……気持ちいい。」

その一言に、莉麻はほっと胸をなで下ろす。

莉麻「少しでも楽になればいいんですけど。」

スポーツドリンクのキャップを開け、悠真へ差し出す。

莉麻「少しだけでも飲めそうですか?」

悠真はゆっくり体を起こそうとする。

でも、腕にうまく力が入らず、途中で止まってしまった。

その様子に気づいた莉麻は、慌てることなく背中へ手を添えた。

莉麻「ゆっくりで大丈夫です。」

その声に合わせるように、悠真は少しずつ体を起こした。