莉麻「悠真くん!」

莉麻の腕の中へ、悠真の身体が完全に預けられる。

さっきまで立っていたはずなのに。

今は、呼びかけても反応がない。

莉麻は慌てて身体を支え直した。

莉麻

「誰か……!」

声が震える。

すぐにスタッフが駆け寄ってくる。

スタッフ「悠真さん!」

奈津たちも戻ってきた。

奈津「悠真!」

奈津が駆け寄り、悠真の顔を覗き込む。

けれど、目は閉じたまま。

莉麻の胸が締めつけられる。

さっきまで必死にステージに立っていた。

無理をしてでも最後までやり切ろうとしていた。

その結果が、これなんだ。

莉麻「さっきからずっと苦しそうで……過呼吸になって、酸素をつけて……それでもステージに戻って……」

言葉が途切れる。

目の前で眠ったままの悠真を見ていると、怖くて仕方がない。

スタッフがすぐに状態を確認する。

スタッフ「救護室へ運びます。」

その言葉に、莉麻も立ち上がろうとする。

けれど腕の中の悠真の手が、まだ莉麻の服を掴んでいた。

意識がないのに。

離さない。

莉麻はその手を見つめた。

莉麻「……悠真くん。」

そっと、その手を包む。

莉麻「大丈夫だから。ちゃんとここにいるよ。」