リハーサルの時間になる。
六人がステージへ向かう。
莉麻もスタッフと一緒に袖へ移動した。
広いステージ。
まだ観客のいない客席。
静かな会場。
それでも、数時間後にはここが歓声でいっぱいになる。
莉麻はその景色を見つめながら、少しだけ胸が高鳴った。
音楽が流れる。
六人が動き始める。
ツアーが始まった頃より、ずっと息が合っている。
何度も同じ曲を踊って。
何度も同じステージを繰り返して。
その全部が今日につながっている。
曲が終わると、奈津がスタッフへ確認する。
奈津「照明、ここだけ少し変えられますか?最後のサビで、もう少し明るくしたいです。」
スタッフと話している奈津を見ながら、莉麻は思った。
奈津くんは、本当に最後までみんなのことを見ている。
その時、ステージから春空が莉麻へ手を振った。
春空「莉麻ちゃん!」
莉麻が顔を上げる。
莉麻「ん?」
春空「見えてる?」
莉麻は笑って頷いた。
莉麻「ちゃんと見えてるよ。」
春空は満足そうに笑って、ステージ中央へ戻っていく。
その後ろ姿を見送りながら、莉麻はふと思う。
今日が終わったら、この景色も一旦終わる。
そう思うと、少し寂しい。
でも最後だからこそ。
今日の一瞬一瞬を、ちゃんと覚えておきたい。
そう思いながら、莉麻はステージに立つ六人を見つめ続けた。



