サービスエリアで短い休憩を終え、再び車へ戻る。

莉麻が自分の席へ座ると、春空も隣へ腰を下ろした。

今度は少しだけ距離を空けている。

さっきのことを気にしているのかもしれない。

莉麻はそんな春空を見て、思わず笑った。

莉麻「そんなに離れなくても大丈夫だよ。」

春空が振り返る。

春空「え?」

莉麻「さっきみたいに寝ても気にしなくていいから。」

春空は少し驚いたように莉麻を見る。

そして、ふっと笑った。

春空「じゃあ……お言葉に甘えようかな。」

そう言って、さっきより少しだけ近くに座る。

でも今度は莉麻の肩には頭を乗せず、窓へ寄りかかった。

莉麻も窓の外を見る。

車が再び走り出す。

しばらくすると、春空がぽつりと呟いた。

春空「今日で最後なんだね。」

莉麻「うん。」

春空は窓の外を見たまま笑う。

春空「なんか寂しい。」

莉麻も同じ気持ちだった。

楽しかった。

大変だった。

いろんな場所へ行って、いろんな景色を見た。

そして、六人と過ごす時間が増えた。

莉麻「でも、最後のライブ。思いっきり楽しもうね。」

春空は莉麻を見る。

そして、優しく笑った。

春空「うん。莉麻ちゃんも一緒に。」

その言葉が、胸の奥に静かに残った。