車は高速道路を降り、少しずつ街の景色が変わっていく。

莉麻は窓の外を眺めながら、もうすぐ到着するんだと思った。

ツアー最後の場所。

ここまで、本当にあっという間だった。

最初は何も分からなくて、何をするにも緊張していた。

それなのに今は、こうしてメンバーと同じ車に乗って、当たり前みたいに一緒に移動している。

そんなことを考えていると、肩に乗っていた春空の頭が少し動いた。

春空「……ん……」

小さく声を漏らしたけれど、目は開かない。

莉麻は起こさないように、そっと春空の頭を支える。

莉麻「まだ寝てていいよ。」

もちろん返事はない。

でも、安心したようにまた静かな寝息へ戻っていった。

莉麻は少し笑う。

その時、前の席から陽が振り返った。

陽「春空、まだ寝てる?」

莉麻「うん。」

陽「よっぽど疲れてるんだな。」

そう言って笑いながら、また前を向く。

車内には再び静かな時間が戻った。