全国ツアーも、残すところあと一公演。
最後の開催地へ向かう車の中は、いつもより少しだけ静かだった。
ここまで何公演も続いたツアー。
みんな疲れているのだろう。
陽はイヤホンをつけたまま窓の外を眺め、未来は目を閉じている。
奈津と伊澄も、それぞれ静かに過ごしていた。
莉麻は座席に深く腰を掛け、手元のスケジュール表を確認していた。
ラスト公演の会場。
リハーサルの時間。
本番。
終演後の予定。
何度確認しても、少しだけ緊張する。
もうすぐ、このツアーが終わる。
そう思うと、少し寂しい気もした。
その時隣の席へ春空が座ってきた。
春空「ここ、いい?」
莉麻「うん。」
春空は小さく笑って座る。
春空「じゃあ、ちょっと寝よ。」
そう言ってシートへ身体を預ける。
莉麻も窓の外へ視線を戻した。
しばらくすると。
隣から、ふっと体重がかかる。



