会場の外へ出ると、夜の空気が頬を撫でた。
スタッフが荷物を積み込み、車のエンジン音が響いている。
メンバーも次々と車へ乗り込んでいく。
陽「莉麻ちゃん、早くー!」
莉麻「今行く!」
急いで車へ向かう。
その途中、春空が後ろから莉麻の肩へ腕を軽く回した。
春空「今日お疲れ。」
莉麻「春空くんもお疲れさま。」
春空「初ツアーどうだった?」
莉麻は少し考えてから笑う。
莉麻「楽しかった。大変だったけど……すごく楽しかった。」
春空は嬉しそうに笑った。
春空「じゃあ、これからもっと楽しくなるよ。」
そう言って莉麻の肩を軽くぽんっと叩き、先に車へ乗り込む。
莉麻もその後に続く。
車へ乗り込む直前。
ふと後ろを振り返る。
さっきまで大歓声に包まれていた会場。
今は静かな夜の中に佇んでいる。
今日から始まった全国ツアー。
これから何度も、この景色を見ることになる。
そして、そのたびに。
この六人との思い出が増えていく。
そう思うと、自然と笑顔になった。
車へ乗り込むと、悠真が窓際の席から莉麻を見る。
目が合う。
悠真が小さく笑った。
莉麻も笑い返す。
車がゆっくり走り出す。
夜の街へ消えていくVELIXの車を見送りながら、莉麻は窓の外を眺めた。
――ここから、もっと長い時間を一緒に過ごす。
そんな予感がしていた。
そしてまだ誰も知らない。
この全国ツアーが、
六人と莉麻の関係を大きく変えていくことを。



