ライブが中盤に差しかかった頃。

メンバーが一度ステージから捌けてくる。

スタッフが一斉に動き始めた。

「タオル!」

「水分お願いします!」

「次の衣装、急いで!」

莉麻もすぐに動く。

ステージから戻ってきた陽へタオルを渡す。

陽「ありがとう!」

続いて伊澄。

莉麻「お疲れさま。」

伊澄「ありがとう。」

そして最後に悠真が戻ってくる。

少し息が上がっていた。

莉麻はすぐにタオルを差し出す。

莉麻「悠真くん。」

悠真「ありがとう。」

受け取ったタオルで汗を拭く。

そのまま水を受け取ろうとした悠真だったけれど、莉麻が先にキャップを開けて差し出した。

莉麻「はい。」

悠真は少し目を丸くする。

悠真「……ありがとう。」

そのまま一口、二口と飲む。

莉麻「あと少しだね。」

悠真「うん。莉麻ちゃんも、ずっと立ってるけど大丈夫?」

莉麻「私は大丈夫。」

笑って答えると、悠真は少しだけ眉を下げる。

悠真「そっか。」

そう呟いて、もう一度水を飲んだ。

その時。

春空「悠真、次の衣装。」

スタッフから声をかけられる。

悠真「今行く。」

立ち上がる。

そしてすれ違いざま、莉麻へ小さく笑った。

悠真「行ってくる。」

莉麻「うん。頑張って。」

その一言を聞いて、悠真は頷く。

再びステージへ戻っていく背中を、莉麻は見送った。