本番一時間前。
楽屋にはスタッフが行き交い、メンバーも衣装へ着替え始めていた。
莉麻は一人ずつ最終確認をしていく。
莉麻「奈津くん、イヤモニ大丈夫?」
奈津「問題ない。」
莉麻「伊澄くん、飲み物ここに置いておくね。」
伊澄「ありがとう。」
一人ずつ声をかけていく。
そして悠真のところへ来た時。
莉麻は少しだけ悠真の顔を見る。
莉麻「悠真くん。」
悠真「ん?」
莉麻「緊張してる?」
悠真は一瞬黙ってから、少し笑った。
悠真「……ちょっと。」
意外だった。
いつもステージでは堂々としているのに。
やっぱり本番前は緊張するんだ。
莉麻「大丈夫だよ。」
悠真が顔を上げる。
莉麻「今日までみんなが頑張ってきたの、ずっと見てたから。きっと大丈夫。」
その言葉に、悠真の表情が少しだけ柔らかくなる。
悠真「……莉麻ちゃんにそう言ってもらえると、なんか大丈夫な気がする。」
胸が小さく跳ねる。
莉麻は照れながら笑った。
莉麻「じゃあ、いってらっしゃい。」
悠真は頷く。
悠真「行ってくる。」
その声には、さっきまでの緊張が少しだけ消えていた。



