リハーサルが終わると、メンバーは一度楽屋へ戻った。

本番まで、あと二時間。

莉麻はスタッフから渡されたスケジュールを確認しながら、必要なものを一つずつ揃えていく。

衣装。

飲み物。

タオル。

イヤモニ。

何度確認しても、まだ足りない気がする。

そんな莉麻の横を、春空が通り過ぎる。

春空「莉麻ちゃん。」

莉麻「ん?」

春空「ちょっと休んだら?」

莉麻は時計を見る。

莉麻「まだ大丈夫。」

そう答えると、春空は少しだけ眉を下げた。

春空「昨日からずっと動いてない?初ツアーだからって頑張りすぎないでね。」

そう言って、莉麻の頭を軽くぽんっと撫でる。

一瞬だけ驚いたけれど、その優しさに莉麻は小さく笑った。

莉麻「ありがとう。」

春空も安心したように笑って、自分の席へ戻っていく。

その様子を見ていた奈津が、少しだけ笑った。

奈津「春空、珍しくちゃんと心配してるな。」

春空「だって莉麻ちゃん、頑張りすぎそうだから。」

その言葉に、莉麻はまた小さく笑った。