リハーサルが始まる。

ステージの上へ六人が立った瞬間、空気が変わった。

照明が落ちる。

音楽が流れる。

大きなステージを、六人が縦横無尽に動いていく。

莉麻はステージ袖から、その姿を見つめていた。

……ここでライブをするんだ。

客席を埋め尽くすファン。

歓声。

ペンライト。

その真ん中に立つ六人。

想像するだけで胸が高鳴る。

リハーサルが終わると、悠真がステージから降りてくる。

額には汗が滲んでいる。

莉麻はすぐにタオルを差し出した。

莉麻「お疲れさま。」

悠真「ありがとう。」

タオルを受け取り、汗を拭く。

そして、少しだけ莉麻を見る。

悠真「どうだった?」

莉麻「……すごかった。」

思ったままの言葉が出た。

莉麻「本番、もっとすごいんだろうなって思った。」

悠真は少し照れたように笑う。

悠真「うん。たぶん、全然違う。」

そう言ってステージを振り返る。

その横顔を見ながら、莉麻もステージを見る。

ここから始まる。

全国を回る、長いツアー。