ツアーの打ち合わせが終わる頃には、外はすっかり夕方になっていた。

莉麻は机の上に広げられていた資料を一枚ずつ確認し、開催地ごとにファイルへしまっていく。

会場名。

集合時間。

移動時間。

宿泊先。

覚えることはまだたくさんある。

それでも、最初に比べれば少しずつ「マネージャーの仕事」が分かってきた気がした。

その時、マネージャーが一枚の紙を差し出す。

マネージャー「これ、ツアー用の持ち物リスト。明日からメンバーごとに必要なものを確認していくから、莉麻ちゃんも一緒にやってみて。」

莉麻「はい。」

受け取った紙へ目を落とす。

すると横から春空が覗き込んできた。

春空「結構あるね。」

莉麻「うん。衣装だけでもすごい量。」

春空は少し笑いながら、莉麻の手元を指差した。

春空「俺、これ忘れそう。」

莉麻「じゃあ、ちゃんとチェックしないとね。」

春空「お願いします。」

そう言って笑い、莉麻の肩へ軽く寄りかかる。

ほんの一瞬だけ甘えるような仕草。

莉麻はくすっと笑った。

莉麻「春空くん、自分のことは自分で確認してね。」

春空「……はーい。」

素直に返事をしながら離れる。

そのやり取りを見ていた悠真は、少しだけ笑った。