次は春空のソロ撮影。

春空はカメラの前へ立つと、スタッフへ笑顔を向けた。

監督「春空くん、そのまま!もう少し柔らかい笑顔で!」

春空「はい!」

カメラが向くと、自然と空気が変わる。

うさぎみたいに愛らしい笑顔。

ふとした仕草まで絵になる。

撮影が終わると、春空は控室へ戻る前に莉麻のところへ歩いてきた。

春空「どうだった?」

少し照れたように笑う。

褒めてほしいというより、素直に感想が聞きたい顔だった。

莉麻は笑顔で頷く。

莉麻「すごく春空くんらしかった。見てて自然と笑顔になったよ。」

その言葉に春空は少し照れながら笑う。

春空「ほんと?それならよかった。」

嬉しそうに笑ったその時、撮影スタッフが声をかける。

「春空くん、集合カットの準備お願いします!」

春空「はーい!」

返事をすると、莉麻の肩を軽くぽんっと叩いてから撮影ブースへ走っていく。

「行ってくるね。」

その自然な仕草に、莉麻も笑顔で手を振った。

莉麻「いってらっしゃい。」

そのやり取りを少し離れた場所から見ていた悠真は、手にしていたタオルを静かに握り直す。

胸の奥に浮かんだ小さな感情の正体は、まだ自分でも分からなかった。