撮影が終わると、悠真はスタッフへ頭を下げながらブースを出る。

その額にはうっすら汗が浮かんでいた。

莉麻はマネージャーから預かっていたタオルを持って駆け寄る。

莉麻「悠真くん。」

タオルを差し出す。

悠真は少し驚いたように目を丸くした。

悠真「ありがとう。」

受け取りながら小さく笑う。

悠真「ちょうど欲しかった。」

その言葉を聞いて、莉麻はほっとした。

ちゃんとタイミングを見られた。

少しだけマネージャーらしいことができた気がする。

そこへメイクスタッフもやってくる。

「悠真くん、前髪だけ直します。」

悠真は鏡の前へ座った。

莉麻は邪魔にならないよう一歩下がる。

その動きを見ていたマネージャーは、小さく頷いた。

……周りを見る余裕も出てきたな。