エレベーターの扉が静かに開く。

誰も乗っていない。

莉麻は悠真を支えたまま中へ入り、ゆっくりと壁にもたれさせた。

扉が閉まる。

静かな空間に、機械が上へ昇る音だけが響いた。

数字が一つ、また一つと増えていく。

その間も悠真は目を閉じたままだった。

肩で息をするたび、少し苦しそうに眉が寄る。

……本当にきつそう。

こんな姿、ファンの人は誰も知らないんだろうな。

テレビではいつも笑っていて。

ライブでは誰よりも楽しそうで。

だからこそ胸が痛くなった。

一人で、どれだけ頑張ってきたんだろう。

莉麻「もう少しです。」

小さく声をかけると、悠真はゆっくり目を開けた。

悠真「……ありがとう。」