ボーカルレッスンが始まるまで少し時間が空き、メンバーは思い思いに過ごしていた。

陽はソファで未来とゲームの話をしている。

伊澄は歌詞カードを読み返し、奈津は今日の流れをマネージャーと確認していた。

春空は冷蔵庫から飲み物を取り出すと、二本持って莉麻のところへ戻ってくる。

春空「はい。」

一本を自然に差し出す。

莉麻「ありがとう。」

受け取ると、春空はにこっと笑った。

春空「朝から動いてるし、莉麻ちゃんもちゃんと飲まないと。」

そう言って軽く莉麻の腕をぽんっと叩く。

春空「倒れたら困るし。」

その一言は冗談っぽいのに、どこか本気だった。

莉麻は思わず笑う。

莉麻「うん。気をつける。」

そのやり取りを見ていた伊澄は優しく微笑んだ。

伊澄「春空って、人のことよく見てるよね。」

春空「そう?」

照れくさそうに頭をかく。

春空「放っとけないだけ。」