エントランスの自動ドアが開く。

ひんやりとした空気が体を包み込み、少しだけ熱が引く気がした。

悠真はポケットからカードキーを取り出す。

機械にかざすと、小さな電子音が鳴った。

ロックが解除される。

そのままエレベーターへ向かおうとした瞬間。

また視界が揺れた。

悠真「っ……。」

思わず壁へ手をつく。

莉麻「大丈夫ですか?」

すぐ隣から聞こえる優しい声。

その声を聞くだけで、不思議と焦る気持ちが落ち着いていく。

悠真「……ごめん。」

また謝ってしまう。

今日は何回「ごめん」を言っただろう。

情けない。

オフの日くらい、一人で普通に過ごせると思っていたのに。

結局、初対面の女の子にここまで助けられている。

……でも。

もし今日この子に会えていなかったら。

今頃、どうなっていたんだろう。

そんな考えが頭をよぎる。

悠真は小さく息を吐くと、もう一度莉麻の肩へ体を預けた。

二人はゆっくりとエレベーターへ向かって歩き出した。