三十分ほどで撮影スタジオへ到着した。
車を降りると、スタッフたちが次々に頭を下げる。
「おはようございます!」
「よろしくお願いします!」
さっきまで穏やかだった六人の空気が、一瞬で切り替わる。
悠真「おはようございます。」
奈津「今日もよろしくお願いします。」
その姿は、事務所で見ていた六人とはまるで別人だった。
莉麻は少し遅れて車を降りる。
周りを見渡しながら、どう動けばいいのか考えていると、マネージャーが隣へ来た。
マネージャー「今日は俺の隣で見てて。現場では、誰が何をしてるかを覚えるだけでいい。」
莉麻「はい。」
大きく頷く。
その返事を聞いたマネージャーは笑った。
マネージャー「じゃあ、マネージャーとしての最初の仕事だ。」
そう言って、控室の鍵を莉麻へ手渡す。
マネージャー「メンバーが撮影に入る前に、荷物を控室へ運んで準備しておいて。」
初めて任される、現場での仕事。
莉麻は鍵を両手で受け取ると、小さく深呼吸をした。
莉麻「……頑張ります。」
その横顔を見つめながら、悠真は自然と口元を緩める。
あの日、自分を支えてくれた女の子は。
今日から今度は、みんなを支える仕事を始める。
その姿が、なんだか少し誇らしかった。



