タクシーを降りようと体を起こした瞬間。
ぐらり。
悠真の体が大きく傾いた。
莉麻「悠真くん!」
慌てて腕を支える。
危なかった。
あと少し遅かったら、そのまま倒れていたかもしれない。
悠真「……ごめん。」
力なく笑う悠真に、莉麻は首を横に振る。
莉麻「謝らなくて大丈夫です。ゆっくり行きましょう。」
悠真は小さく頷く。
それでも足は思うように動かない。
一歩踏み出すたびに膝から力が抜けそうになり、そのたびに莉麻がそっと支えた。
細い体で支えているはずなのに、不思議と安心する。
もう少し。
あと少し歩けば部屋に着く。
そう自分に言い聞かせながら、悠真は息を整えた。



