規則正しい振動だけが、静かな車内に流れていた。

肩に伝わる悠真の重みは、少しずつ増していく。

眠ってしまったのかな。

そう思って横を見ると、閉じた瞼は苦しそうに震えていた。

眠っているんじゃない。

ただ、目を開けているのもつらいだけなんだ。

……早く着いてほしい。

その願いだけを胸に、窓の外を流れる景色を見つめた。

しばらくすると車がゆっくり速度を落とす。

見えてきたのは、高層マンション。

エントランスの前には警備員が立ち、オートロックのゲートがいくつも並んでいる。

……すごい。

テレビで見るような場所。

ここが、悠真くんの家なんだ。

運転手「到着しました。」

その声に悠真がゆっくり目を開けた。

悠真「……着いた。」

少しかすれた声だった。