じりじりと焼けるような日差しが、アスファルトを白く照らしていた。
短大の帰り道。
莉麻「今日も暑いなぁ……」
思わず空を見上げると、雲ひとつない青空がどこまでも広がっている。
駅へ向かう途中の歩道は人通りも少なくて、聞こえてくるのは蝉の鳴き声だけ。
……早く帰って、アイスでも食べよう。
そんなことを考えながら歩いていると、少し先で電柱に手をついている男性が目に入った。
帽子を深くかぶって、黒いマスクまでしている。
それでも、苦しそうに肩を上下させる姿が気になって、自然と足が止まった。
大丈夫かな……。
知らない人に声をかけるのは少し勇気がいる。
でも、このまま通り過ぎたら後悔する気がした。
ゆっくり近づき、小さく声をかける。
莉麻「……あの、大丈夫ですか?」
返事はない。
息だけが苦しそうに漏れている。
もう一歩近づいた、その瞬間。
帽子の隙間から見えた横顔に、鼓動が止まりそうになった。
……え。
うそ。
そんな。
莉麻「……悠真、くん?」
名前が口からこぼれた瞬間、彼の肩がぴくりと震えた。



