最強の吸血鬼たちに執着されています

短い返事。
それだけ言うと、彼は食堂へ向かって歩き出した。

必要以上に関わろうとしない、どこか近寄りがたい雰囲気。
クールという言葉がよく似合う吸血鬼。

 ……よかった

正直、少しだけ安心する。
隣の部屋の方が吸血鬼だから、少し緊張するけど。

初めての寮生活で、知らない相手と近い距離で暮らすことには不安があった。
もし隣の部屋の人が、初日からぐいぐい話しかけてくるようなタイプだったら、きっと疲れてしまっていただろう。

それなら、彼のように必要以上に干渉してこない人の方がいい。

まだ静かな方でよかった。

そう思いながら、私は食堂へ向かうために鍵を閉めた。


食堂へ向かうと、そこには多くの生徒が集まっていた。
ざっと見ただけでも、百人ほどはいるだろうか。
広々とした空間にはいくつものテーブルが並び、夕食を楽しむ声があちこちから聞こえる。

メニューは豊富で、定食だけでも何種類か用意されていた。
私は少し迷った末、ハンバーグ定食を選ぶ。
料理を受け取り、席を探しながら周囲を見渡す。
すると、普通の料理とは別に、吸血鬼向けのメニューも用意されていることに気づいた。
血液を主成分とした飲料や料理。

いくつかの席では、それを口にしている生徒の姿もある。
けれど、思っていたより吸血鬼の姿は少なかった。

人間の生徒の方が圧倒的に多い。

そういえば、上位吸血鬼は人間から直接血を吸うことを好む、と聞いたことがある。

でも、この学園は寮生活が基本だ。
外部の人間と接する機会なんて、ほとんどないはず。

 じゃあ、上位吸血鬼は普段どうしているんだろう……

そんなことを考えながらハンバーグを口に運んでいると、不意に近くのテーブルから会話が聞こえてきた。