あれからどれだけの時間が経ったのか、伊奈には分からなかった。
大阪の病院から実家へと連れ戻され、気づけば自分の部屋のベッドの上にいた。
天井を見上げても、カーテンの隙間から差し込む光を見ても、視界に映るすべてがモノクロのように色褪せて見えた。
「伊奈……少しでいいから、何か口に入れなさい」
母親が心配そうに差し入れてくれたお盆の上には、おにぎりが一つだけ乗っている。
だが、喉の奥がキュッと締め付けられたように、食べ物を飲み込むことができなかった。
スマホを開けば、画面のトップには4人で写った最後の写真が表示される。
あの時、あんなに楽しそうに笑っていたのに。
自分だけが先に渡ってしまったから。
自分があそこで浮かれなければ、3人は死なずに済んだのではないか。
罪悪感という名のドス黒い泥が、伊奈の心を内側からぐにゃぐにゃに溶かしていく。
「……私さえ、いなくなればいいのに」
掠れた声は誰にも届かず、ただ冷たい部屋の空気に溶けて消えていった。
大阪の病院から実家へと連れ戻され、気づけば自分の部屋のベッドの上にいた。
天井を見上げても、カーテンの隙間から差し込む光を見ても、視界に映るすべてがモノクロのように色褪せて見えた。
「伊奈……少しでいいから、何か口に入れなさい」
母親が心配そうに差し入れてくれたお盆の上には、おにぎりが一つだけ乗っている。
だが、喉の奥がキュッと締め付けられたように、食べ物を飲み込むことができなかった。
スマホを開けば、画面のトップには4人で写った最後の写真が表示される。
あの時、あんなに楽しそうに笑っていたのに。
自分だけが先に渡ってしまったから。
自分があそこで浮かれなければ、3人は死なずに済んだのではないか。
罪悪感という名のドス黒い泥が、伊奈の心を内側からぐにゃぐにゃに溶かしていく。
「……私さえ、いなくなればいいのに」
掠れた声は誰にも届かず、ただ冷たい部屋の空気に溶けて消えていった。



