私たちの友情は一生不滅!

伊奈の部屋の壁に貼られた大きなカレンダーには、大きな赤丸で囲まれた日付があった。



その周囲には、キラキラとしたペンで『大阪旅行!』と何重にも書き込まれている。



「あと3日……いよいよだ……!」



ベッドの上で足をバタバタさせながら、伊奈は一人でニヤニヤしていた。



枕元には、大阪旅行のために新しく買ったキャリーケースがすでにスタンバイしている。



中にはお気に入りの服やコスメが綺麗に詰められており、前日の夜からすでに準備万端だった。



「伊奈、ご飯よー!」



下から母親の呼ぶ声が聞こえたが、伊奈は上の空で返事をする。



「いま行くー!」



リビングに降りると、テレビではちょうど関西エリアの観光特集が流れていた。



美味しそうなタコ焼きやグリコの看板が映し出されるたび、伊奈の心臓は期待でドクンと大きく跳ねる。



「そんなに楽しみなの?」



呆れ顔の母親に、伊奈は満面の笑みで答えた。



「うん! だって、綾里たちと初めての遠出なんだもん。絶対楽しい思い出にするの!」



スマホがブルッと震れ、グループチャットに通知が入った。



『綾里:みんな! あと3日だよ! 荷造り終わった!?』



『和香菜:終わったよー! 寝坊厳禁ね!』



『七海:楽しみすぎて眠れないかも……笑』



『伊奈:私もバッチリ! 最高に楽しい旅行にしようね!!』



画面越しに飛び交うメッセージの数々。



期待で胸がいっぱいの伊奈は、この時、まだ誰も知らない未来の残酷さなど微塵も想像していなかった。



ただ、目の前に広がる輝かしい未来だけを信じて、眠りにつく前の甘い時間を噛り締めていた。