結婚したくないはずの俺様社長に、成婚を強行されました

 迅は一度手を離すと、透子の指先を軽くすくい上げるようにして、今度は絡めるように繋ぎ直した。お互いの指が隙間なく密着する。

(これは、いわゆる恋人繋ぎというやつでは……)

 心臓が一気に跳ね上がる。猛烈な恥ずかしさに襲われ、とうとう透子は取り繕えなくなった。きっと今、自分の顔は真っ赤になっているだろう。いたたまれなさに頬を熱くしながら、ただ足元を見つめることしかできない。

「……まいったな」

 小さく呟く声が聞こえたが、下を向いていたので彼がどんな表情をしているのかはわからなかった。

 公園から歩いて十分足らず、中華街の東門から大通りに入る。平日でもさすがは有名な観光地だ。大勢の人で賑わっていた。

「昨日の夜予習しておいたので、お店はチェック済みです」

「頼りになるな。お勧めは?」

「大通り沿いにあるお店の北京ダックロールを食べてみたいです。あと、杏仁ソフトも」

「じゃあ、北京ダックからいくか」