慌てて追いかけようとしたところに、母と出くわしたのだ。
瞬時になにかあったと勘づいた母は香織に『お帰りですか? 私もちょうど外に出るので、下までご一緒しましょう』と声を掛けた。
『え、あ、はい……』
婚活界の魔女の親しげな笑みに押されるように、香織は母とふたり一緒にエレベーターに乗り込んでいった。母は気を利かせて、香織と話をしてくれたのだ。
「お相手に求める条件を変えた方がいいと、言いすぎてしまったかもしれません」
「カウンセラーとして、必要なアドバイスだと思うわよ。ただ、婚活自体が嫌になったら意味がないから、難しいわよね」
母は困ったように小さくため息をついた。
「婚活自体が嫌に……」
透子の脳裏に、香織の強張った表情が浮かぶ。自分の言葉が、彼女を追い詰めてしまったのではないか。もし婚活をやめてしまったら――そう考えると、胃の奥がきゅっと縮む。
「婚活がうまくいかない女性が感情を溜め込んでしまうことはよくあるわ。それにいち早く気づいてガス抜きしてあげるのもカウンセラーの仕事よ」
母の言葉は、重く透子の胸に響く。
(私はガス抜きどころか、爆発させてしまった)
瞬時になにかあったと勘づいた母は香織に『お帰りですか? 私もちょうど外に出るので、下までご一緒しましょう』と声を掛けた。
『え、あ、はい……』
婚活界の魔女の親しげな笑みに押されるように、香織は母とふたり一緒にエレベーターに乗り込んでいった。母は気を利かせて、香織と話をしてくれたのだ。
「お相手に求める条件を変えた方がいいと、言いすぎてしまったかもしれません」
「カウンセラーとして、必要なアドバイスだと思うわよ。ただ、婚活自体が嫌になったら意味がないから、難しいわよね」
母は困ったように小さくため息をついた。
「婚活自体が嫌に……」
透子の脳裏に、香織の強張った表情が浮かぶ。自分の言葉が、彼女を追い詰めてしまったのではないか。もし婚活をやめてしまったら――そう考えると、胃の奥がきゅっと縮む。
「婚活がうまくいかない女性が感情を溜め込んでしまうことはよくあるわ。それにいち早く気づいてガス抜きしてあげるのもカウンセラーの仕事よ」
母の言葉は、重く透子の胸に響く。
(私はガス抜きどころか、爆発させてしまった)



