結婚したくないはずの俺様社長に、成婚を強行されました

 両親のように、一時の感情の盛り上がりだけで結婚して、そのあと本当の相手とのずれを感じ、悲しい別れを迎えるケースもある。

「人間ですから、生理的な相性はあります。でも、それ以外の条件や価値観が合いさえすれば、波風は立たないですし、人生を共にするパートナーとして、穏やかな愛のようなものが生まれると思っています」

 やはり、ロジカルに結婚が成立する結婚相談所のシステムはすばらしい。話しながら改めて実感する。

「結婚はゴールではないんです。そのあと続く長い結婚生活にこそ意識を向けるべきです」

「……なるほど。恋愛感情はいらない、ね」

 迅の感心したような声に、透子はふと我に返る。

(やだ、いつのまにか、夢中で熱弁を振るってた。真壁様、引いてるんじゃない?)

「すみません。話しすぎましたね……あの、ですから真壁様もぜひうちで、いいお相手を見つけていただけたらと……」

 バツの悪くなった透子は、軽く肩を竦め、目を逸らした。

「悪くないな」

「え……」

(――やった。その気になってくれた!)