結婚したくないはずの俺様社長に、成婚を強行されました

 淡いピンクのワンピースを身に着け、今風のメイクはかわいらしい。
間違いなく年齢より若く見えるし、本人もそれを自覚している。

 彼女が、マリアージュ・アクシアに登録したきっかけは、30歳になった途端、親から結婚への圧力が増したうえに、友達の結婚や出産が続き焦り始めたからだ。

「希望する条件が多いと、お会いできるお相手の数が単純に減りますし、条件のいい方は人気もあるので争奪戦になるんですよ」

「えー、でも私、普通の人でいいって言ってるだけなんだけど」

「香織さんが希望している条件は正直〝普通〟じゃないんです」

 彼女が希望しているのは身長175センチ以上の清潔感のある男性、安定した職業に就いていて年収は一千万前後、年齢は30から36までだ。そういう男性は人気がありすぎて、会うことすら敵わないケースが多い。

「条件を緩めた方が、出会いの幅が広がりますよ」

「そんなに簡単に割り切れないわ。私、これまで医者とか弁護士とかハイスぺとばかりつきあってきたの。レベル下げたくないのよ。目が肥えちゃった女の気持ち、透子さんならわかってくれるわよね」

(いえ、全然わかりません……)