結婚したくないはずの俺様社長に、成婚を強行されました

 だからこそ、迅を煽るような言葉が思いがけず口をついたことに、母も驚いていたし、自分自身も戸惑っていた。

(それだけ、結婚相談所や、それを利用するお客様を馬鹿にされるのが我慢ならなかったんだけど……)

 大企業の社長に対して、いや、それ以前にお客様を相手に〝視野が狭い〟なんて言葉、絶対に口にしてはいけなかった。

 淡々としていたが、彼は相当ご立腹だろう。もしかしたら、真壁家からクレームが入るかもしれないし、マリアージュ・アクシアの評判が落ちるかもしれない。

(うちの悪いうわさが立つのだけは、なんとか避けたい)

 時間をつくるとはくれたが、迅が本当に実行してくれるとは思えなかった。すぐに連絡して謝罪しようとした矢先、向こうからメールが届く。そこには来訪可能な日付と、いくつかの時間帯が記されていた。

 日程を調整した結果、迅は今日の午後三時に再び訪れることになった。日曜日ということもあり、彼は休日なのだろう。

(今日お会いしたら、まずは謝ろう)

 ふたたびパソコンの画面に視線を戻し、透子は自分に強く言い聞かせる。