イケメン双子兄弟×美少女双子姉妹の不器用すぎる甘い恋 ──私だけを見てくれる、たった一人に恋をした。──

同じ頃、校舎の屋上では、文化祭の台本について光輝と双葉が話し合っていた。



「光輝くん、主役のセリフ、もう少し感情を込めた方がいいと思うの。みんなの前だと、いつもみたいにヘラヘラしちゃってるから……」



双葉が真剣な表情で指摘すると、光輝はふっと苦笑いをこぼした。



「さすが委員長、よく見てるね。……でもさ、双葉ちゃんだって同じだろ?」



「え……?」



「みんなの前では『しっかり者の双葉ちゃん』でいなきゃいけないって、いつも気を張ってさ。……本当は、そんなに完璧になんてなりたくないくせに」



光輝のその言葉に、双葉の呼吸が止まった。



誰も触れてこなかった、仮面の下の本当の心。



それを、いつもは軽い笑顔の裏に隠している光輝に言い当てられ、双葉の瞳から大粒の涙がこぼれ落ちる。



「……私、怖いの。お姉ちゃんでいられなくなったら、私には何もない気がして……」



光輝は困ったように眉を下げると、優しく双葉の頭に手を置いた。



「大丈夫だよ。誰も見てないところでは、無理して笑わなくていいんだからさ」



――その光景を、買い出しの帰りに階段の踊り場から目撃してしまったのは、私だった。