「おい、そこ縫い目曲がってんぞ」
放課後の被服室。
型紙と格闘していた私の手元を覗き込みながら、智樹が無愛想に言い放った。
「うるさいなあ。自分でやってみなさいよ、これ結構難しいんだから」
言い返しながらも、私は智樹の意外な手際の良さに驚いていた。
不機嫌そうにしながらも、手元は丁寧で正確だ。
「……お前さ」
智樹は作業の手を止めず、ぼそっと呟いた。
「姉ちゃんのことで、何か知ってるか?」
「……お姉ちゃん?」
「この前、保健室の前でさ……いや、何でもない」
智樹が言い淀んだ。
その耳たぶが、ほんの少し赤くなっているのに気づいて、私はフッと意地悪く笑った。
「なになに? もしかして、お姉ちゃんが気になっちゃってるわけ? あの冷たい智樹くんが?」
「っ、違うし! 勘違いすんな!」
顔を真っ赤にしてそっぽを向く智樹を見て、私は少しだけ面白かった。
このひねくれ者の弟も、本当は双葉のことが気になって仕方ないのだ。
不器用な二人の距離感は、どこか私と光輝に似ていた。
放課後の被服室。
型紙と格闘していた私の手元を覗き込みながら、智樹が無愛想に言い放った。
「うるさいなあ。自分でやってみなさいよ、これ結構難しいんだから」
言い返しながらも、私は智樹の意外な手際の良さに驚いていた。
不機嫌そうにしながらも、手元は丁寧で正確だ。
「……お前さ」
智樹は作業の手を止めず、ぼそっと呟いた。
「姉ちゃんのことで、何か知ってるか?」
「……お姉ちゃん?」
「この前、保健室の前でさ……いや、何でもない」
智樹が言い淀んだ。
その耳たぶが、ほんの少し赤くなっているのに気づいて、私はフッと意地悪く笑った。
「なになに? もしかして、お姉ちゃんが気になっちゃってるわけ? あの冷たい智樹くんが?」
「っ、違うし! 勘違いすんな!」
顔を真っ赤にしてそっぽを向く智樹を見て、私は少しだけ面白かった。
このひねくれ者の弟も、本当は双葉のことが気になって仕方ないのだ。
不器用な二人の距離感は、どこか私と光輝に似ていた。



