イケメン双子兄弟×美少女双子姉妹の不器用すぎる甘い恋 ──私だけを見てくれる、たった一人に恋をした。──

放課後の夕日が、図書室の窓から差し込んでオレンジ色のグラデーションを作っていた。



光輝と並んで座る私の手元に、彼のノートがスライドされてくる。



「ここ、さっきの古文のテスト範囲。若葉ちゃん、ここ苦手でしょ?」



「……なんで分かるのよ」



「ずっと見てれば分かるって。ほら、眉間に変なシワ寄せて唸ってたからさ」



悪びれもせず笑う光輝に、私は小さくため息をついた。



「……ねえ、光輝」



私は初めて、彼のことを苗字ではなく名前で呼んだ。



光輝がピタリと動きを止め、驚いたように私を凝視する。



「……どうしたの、急に」



「……あなたさ、いつもみんなの前で『お兄ちゃんだから』って無理して笑って、疲れない?」



私の問いに、光輝は少しだけ目を丸くし、それから苦笑した。



「……バレてた?」



「バレるわよ。見てれば分かるもの」



私は視線を本に落としたまま、ぽつりと言った。



「私もお姉ちゃんにいつも勝てなくて、勝手に劣等感抱いて、嫌なことばかり言う最低な人間だから。……だから、あなたのその『無理してる笑顔』が、他人事に見えなかったのよ」



静まり返った図書室で、私たちの間に温かい沈黙が落ちた。



光輝はふっと息を吐くと、驚くほど真っ直ぐな瞳で私を見つめた。



「そっか。……若葉ちゃんも、ずっと戦ってたんだね」



彼の大きな手が、私の頭にそっと置かれた。



今度は、拒絶する気にはならなかった。



「ありがとう、若葉。俺、君の前では『お兄ちゃん』じゃなくて、ただの光輝でいてもいいかな」



その言葉に、胸の奥がキュッと締め付けられる。



――やめてよ、そんな優しい顔で私だけを見ないで。心臓がうるさくなってしまうから。