その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂

それどころか、彼女は口元の汗を細い指先で拭うと、

ふっと妖艶で、あまりに最狂な微笑みを浮かべた

「あら……口説きながら戦えるほどの余裕があるのですね。……ですが、あなたのその薄っぺらい執念では、私の『黒曜』を、そして私をへし折ることなど、百年早い。いえ、現世ではもう無理ですから、来世に期待してください」

「言ってろ!!」

神代が吠え、さらに鋭い左フックを叩き込んでくる

しかし、レイの動きがさらに一段、加速した。

彼女はカッターシャツの擦れる綺麗な音とともに神代の懐へ深く潜り込むと、

彼の顎の下から、目にも留らぬ速さの鋭い掌底を叩き込んだ

ガッ!!!

「がはっ……っ!?」

不意を突かれた神代の巨体が、一歩、二歩と大きくよろめく

レイは一分の隙も見逃さず、そのまま神代の右腕を掴み、自身の体を軸にして空中へ鮮やかに引きずり回した

美しい、完璧なる一本背負い。

ドガァァァン!!!神代の体がリングの床に激しく叩きつけられ、

凄まじい土煙が舞い上がった。

「……っ、あは、はは! たまんねえ、マジでたまんねえな九条レイ……っ!」

床に背中を打ち付けられながらも、神代は血の混じった唾を吐き捨て、

狂ったように笑いながら再び立ち上がってきた

その肉体には、まだ底知れないタフさが残っている

お互いに一歩も引かない、最狂と最狂の殴り合い

激化する最終決戦は、誰も予想のつかない領域へと加速していく――。