その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂

レイは一歩、また一歩とリングの階段を上がり、

神代と同じステージへと足を踏み入れた。夜風のない地下室。

だけど、彼女の長い黒髪が、放たれる最狂のオーラでわずかに揺れたように見えた

レイは白のカッターシャツの襟元にある黒いチョーカーに触れ、

底冷えのするような冷徹な微笑みを浮かべた

「……お断りいたします」

丁寧な敬語。だが、その声には神代の存在を見下す絶対的な拒絶があった

「そもそも、私を倒すために『二代目』などという操り人形を用意せねばならぬ時点で、あなた方の敗北は決まっているのですよ。……その軽口が叩けなくなるまで、その生意気な顔の形を変えて差し上げます」

「ハッ……! 最高の断り文句じゃん!」

神代の三白眼が、歓喜と狂気でギラリと輝く

「お前をへし折って俺のモノにするか、俺がその綺麗な足元にひれ伏すか……! タイマンだ、九条レイ!!」

神代が高級な黒シャツの袖を乱暴に捲り上げ、

凄まじい踏み込みでレイの懐へと肉薄する

ついに、あまりに気高く、あまりに最狂な彼女の、

すべてを賭けた最終決戦のゴングが鳴り響いた。