その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂

一ノ瀬に叩き込まれた情報収集術をフルに活かし、

多久の的確なナビゲーションが幹部たちの動きを完璧にアシストしていく

「お前ら、ウイニングランの前に俺の出番がなくなっちゃうじゃん。ちょっとは残しといてよ?」

颯太がいつもの軽いタメ口をききながら、レイの数歩前を歩く

彼に近づこうとする敵の幹部クラスを、目にも留まらぬ速さの回し蹴りで次々とコンクリートの壁に叩き伏せていった

圧倒的な、格上の暴力。

「がはっ……! なんだこのナンバー2、強すぎる……っ!」

わずか数分。

多久の頭脳、一ノ瀬の指揮、そして蓮、陸、颯太の圧倒的な武力によって、三十人の精鋭は文字通り全滅した

静寂が戻った地下格闘技場

奥へと続く大きな鉄の扉の前に、黒曜のメンバーが集結する

レイは一歩前へ出ると、肩のブレザーを直した

丁寧な敬語。だけど、その場にいる全員が震え上がるほどの、最狂の覇気が彼女から立ち上っていた。

「見事な手際ですね、皆さん。……では、この地獄の門の奥にいる二代目総長に、私たちのルールを教育して差し上げましょうか」

「応!!!」

団員たちの怒号が響く中、鉄の扉がゆっくりと開かれる。

その奥の巨大なリングの中心には、高級な黒シャツのポケットに手を突っ込み、

鋭い三白眼をギラつかせて待つ男――神代の姿があった