その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂

ドクン、と波の音に混じって、彼女の本音が夜の闇に溶けていく

誰にでも敬語で完璧。圧倒的に強くて、みんなの憧れ。

だけどその裏で、彼女は「完璧な総長」であり続けるために、自分の弱さや本当の優しさを、ずっと心の奥底に閉じ込めて生きてきたのだ。

颯太はそんな彼女をしばらく見つめていたが、やがていつものチャラい笑顔に戻り、ポンとレイの頭に手を置いた

「あはは、何それ。冷たい人間ねぇ。……じゃあ、あの神代に襲われた一般塾生の高橋多久くんを、自分の危険を顧みず真っ先に助けにいったのは誰だっけ? その多久くんをわざわざ一ノ瀬に預けて、安全な情報係としてチームに置いてあげたのは誰だっけ?」

「それは……彼の覚悟を受け入れただけで……」

レイが少しだけ顔を赤くして視線をそらす

「いいのいいの。レイさんが冷たいフリしたいなら、俺はそれに付き合うよ」

颯太は頭の後ろで手を組み、優しく、でも力強いタメ口で続けた

「でもさ、これだけは忘れないでね。レイさんがどれだけ自分を冷たい人間だって言い張っても、俺や一ノ瀬、蓮に陸、それに多久くんだって、レイさんのその『不器用な優しさ』に惚れてついていってんだからさ。明日の最終決戦、レイさんに指一本触れさせないよ」

2人は並んで夜の海を見つめ直した。

嵐の前の静けさは、ゆっくりと明けていく。

絆をさらに深めた黒曜のトップ2

いよいよ明日、神代の待つ地獄の戦場へと、彼女たちの漆黒の単車が走り出す