その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂

ゆっくりと目を開けた澪は、不安そうに自分を見つめる多久や、焦る幹部たちの顔を一人ずつ見据えた

そして、ふっといつもの気高き、お淑やかな微笑みを浮かべた

「皆さん、取り乱すのはやめなさい。相手が姑息な手段に出たということは、それだけ彼らに余裕がないという証拠ですから」

澪は椅子から立ち上がると、窓の外、夕日に染まる鳳の街を見下ろした

その横顔には、仲間を誰一人として見捨てないという、絶対的な『王』の覚悟が満ちていた

「多久君、怪我をした生徒たちには、生徒会の医療費からすべて手厚い補償を出しなさい。蓮君、陸君、あなた方は恐怖を抑えきれない下の団員たちのケアを。一ノ瀬君、神代の本当のアジトの特定を急いでください」

的確な指示が、室内のピリついた空気を一瞬で統率していく

最後に、澪は颯太に向き直った。

「颯太君。今夜、少し私の単車の付き合いをお願いできますか? 誰のモノにもならない私の、本当の『覚悟』を、そろそろチームの全員に示す時が来たようです」

「……了解。レイさんがそう言うなら、俺はどこまでも付き合うよ」

颯太はフッと不敵に笑い、チャラく頭を掻きながらも、相棒としての 信頼をその目に宿した

神代の卑劣な揺さぶりに対し、黒曜のトップ2が動き出す

チームの絆を一つにするための、総長・レイの気高き反撃が始まろうとしていた。