その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂

「ま、そういうことだからさ。蓮も陸も、格好つけて弟分にイキるには、まだ百年早いんじゃない?」

颯太がフッと不敵に笑うと、蓮が噛みついた

「チッ……! 颯太さん、座学は一ノ瀬の勝ちかもしんねえけど、喧嘩なら俺だって負けねえっすよ!」

「へえ、言うね。じゃあ、ちょっと試してみる?」

颯太がスクールバッグをポンと机に置いた瞬間、室内の空気が一変した。
昼間のチャラ男のオーラが消え去り、黒曜のナンバー2としての、底知れない圧倒的な「武力」の気配が部屋を支配する

その眼光の鋭さに、狂犬の蓮すら一歩後ずさりした。

「……っ、いや、今はバイクの整備が……」

蓮が視線をそらす。陸も「俺もパスで〜」と両手を上げた。

やっぱり、一ノ瀬先輩の頭脳も、颯太先輩の強さも、幹部の2人を遥かに上回っている。

高橋は、黒曜の「トップ2」の圧倒的な格の違いを目の当たりにして、改めて鳥肌が立っていた。

「ふふ、男の子たちは元気でよろしいですね」

澪は楽しそうに紅茶を一口すすると、高橋に向き直った。

「高橋君。一ノ瀬君の教えは厳しいですが、すべてあなたを守るためのものです。しっかり学びなさいね?」

「はい! 頑張ります、レイさん!」

「よし、じゃあ特訓の続きといきましょうか。蓮、陸、あなた方も居残りです。データの分析方法を叩き込んであげます」

一ノ瀬の冷酷な宣告に、蓮と陸が「げぇっ!?」と同時に絶望の声を上げた。

夕暮れの生徒会室。黒曜の絆と、圧倒的な実力差が垣間見えた、騒がしくも温かい放課後だった。