その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂

「私の部下になりたいですか? 構いませんが、地獄の果てまでついてくる覚悟はありますか?」

ゾワリと、高橋の背筋に鳥肌が立った。丁寧な敬語なのに、その言葉には「引き返すなら今だ」という最後通告のような重みがあった。

高橋はゴクリと唾を飲み込み、手の中の温かい湯呑みを強く握りしめた。そして、まっすぐにレイの目を睨み返すように、力強く頷いた。

「はい! 地獄の果てまで、あなたについていきます……!」

その答えを聞いたレイは、ふっと満足そうに口元を緩め、いつもの優しいミオさんの笑顔に戻った。

「ふふ、良いお返事です。三浦君」

「ん〜? なに、レイさん」

颯太が頭の後ろで手を組みながら、タメ口で応じる。

「彼を『黒曜』の最年少団員として迎えます。一ノ瀬君、彼の連絡先を登録し、鳳学園周辺の情報係を任せなさい」

「……総長がそう仰るなら。高橋君、後で私のところへ来なさい」

一ノ瀬がため息をつきながらも、手帳を開く

「やったな、高橋くん! 今日から俺たちの可愛い弟分ねー。あ、学校ではちゃんと『三浦副会長』って呼んでよ?」

颯太がチャラチャラと高橋の頭を撫でる。

「はい! よろしくお願いします、颯太先輩! レイさん!」

高橋は胸を熱くしながら、ついに地獄の門をくぐり、彼女の部下になったことを誇らしく噛み締めていた。