その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂

残党の2人は白目を剥いて地面に転がった。圧倒的な喧嘩センス。

「やるじゃん、副総長」

神代は動じず、ポケットに手を入れたまま不敵に笑う

「だけど、俺の目的はナンバー2のお前じゃない。俺の『姫』になるべき、あの気高き総長ちゃんだ」

「姫、ねぇ」

颯太は髪をクシャッと掻き、神代を冷たく睨みつけた。

「悪いけどさ、うちのレイさんは誰の指図も受けないし、誰のモノにもならないよ。お前じゃ一生かかっても、あの気高きお嬢様は落とせないぜ?」

「ハッ、ますます気に入った。楽しみにしとけよ、三浦」

神代はそれだけ言うと、気絶した部下を蹴り起こし、闇の中へと消えていった。
静寂が戻った高架下。颯太は地面のバッグを拾い上げると、いつものチャラい笑顔に戻って高橋に手を差し伸べた

「よっと。大丈夫、高橋くん? また巻き込んじゃってごめんねー」

「あ、ありがとうございました……。あの、颯太先輩……」

高橋は自分の差し伸べられた手を見つめながら、悔しさで拳を握りしめた

(また守られた。俺が弱いせいで、ミオさんや颯太先輩に迷惑がかかる……。俺も、変わりたい……!)

少年の中に、小さく、しかし確かな覚悟の火が灯った瞬間だった。