その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂

「お前、伝言係ね。レイに伝えなよ。『狂犬連盟の二代目総長・神代(かみしろ)』が、近いうちにその綺麗なツラを拝みに行くってさ」

「に、二代目……っ!?」

高橋は恐怖で足がすくみ、地面にへたり込んだ

神代と呼ばれた男が、退屈そうに拳を突き出そうとした、その時――

「あーあ、見ぃつけた。他校のゴミクズが、うちの生徒の通学路で何やってんの?」

チャラついた、しかしどこか芯の通った声が響いた

高橋が顔を上げると、そこには鳳学園のネクタイを緩め、
ブレザーのボタンを全開にした三浦颯太が、スクールバッグを片手にぶら下げて立っていた

「颯太先輩……!」

神代はすっと目を細める

「お前……黒曜の副総長、三浦颯太か」

「へえ、俺の顔知ってんだ。有名人は辛いねぇ」

颯太はフッと笑うと、バッグを地面に放り投げた。その瞬間、彼の纏う空気が、昼間のチャラ男から『黒曜のナンバー2』へと一変する

「おい残党ども。昨日レイさんにボコられて、まだ懲りてないわけ? うちの総長の時間をこれ以上無駄にさせんなよ」

「チッ、やっちまえ!」

神代の背後から、残党の2人がナイフを抜いて颯太に飛びかかる

「危ない、先輩!」

高橋が叫ぶが、颯太は一歩も引かない

「ハッ、おっそ」

颯太は目にも留まらぬ速さで最初の一人の手首を掴み、そのまま壁に叩きつけた
ガツン!と激しい音が響く

もう一人が放ったナイフの突きを紙一重でかわすと、その顎に強烈なアッパーカットを叩き込んだ。わずか数秒。